グヤトーン LG65T レストア奮戦記(;_;)

オークション出品中!ページはこちら  落札されました。ありがとうございました。

届いたばかりのグヤトーンLG65Tの状態です。
ご覧のようにフロントPUが欠損しています。(とほほ…)しかも大変汚い、ネックにいたっては自家製塗装がしてあり、ガビガビです(;_;)。
ハードウェアはほぼ全滅。オープンバックのペグにいたっては回すと錆びの粉が落ちる状態。
ブリッジユニットはバネ一本式の純正品ですが、コレも信用できません。正直途方にくれました。
しかし、どういうわけか、ネックだけはマトモなのです。コレには驚きました。(フレットはすり合わせをする必要がありましたが、山の高さも充分あり、コレについても問題なし。)
さあ、やる気を出していってみようか・・・・・・・・・

ペイントリムーバーを使って(ハクリ材)ペイントをはがす。一段目の自家製アホ塗装がはげてくる。
しかしオリジナルペイントはかなり手ごわく、15、6枚のサンドペーパーをゴミ箱行きにする。
ずいぶん腕に筋肉がついたような気がする。
ネックジョイント部裏の検印スタンプは「41.1.21」となっている。当年とって40歳のギターなわけだ。
塗装に厚みのあることもあり、この部分だけははがさずにおいた。このギターのアイデンティティーである。
ここまでの工程で気がついたことは、当時のグヤトーン社の塗装技術は家具等の塗装に準ずるものなのではないかと思った。やたらと、との粉を使うのだ。ネックに反りがないことを疑問に思っていたが、なんとなくわかったような気がする。はがしただけで採用にしようと思ったが、一応ごく薄くクリアラッカーを吹き付けることにした。
交換するブリッジユニットはラッキーなことにジャンクパーツ店でほぼ新品を手に入れていたためコレを採用することにした。
グレッチのように弦間調節のできるローラーブリッジがついているタイプである。
神田、星野あたりの放出品だと思ったが、この手のローラーブリッジタイプは昔のテスコギターによく見られるタイプの部品であり、ブリッジプレート、アームユニットが一体になったタイプのこのブリッジはおそらく海外輸出用ギターに採用されていたものでは、と推測する。要は、ビグスビーに代表されるバネ式トレモロユニットである。
なにしろ弦間調節ができるのはありがたく、ポイントの高いところであろう。オリジナルはバネ一本式だったが、こちらについてはバネ二本式である。この時代のジャパンビンテージはほぼ構造が同じなので、かなり見た目の違うこのブリッジユニットをマウントするためにボディにザグリを入れることは入れたが、簡単な作業で済んだ。オリジナルと同じ、六本のスクリューで固定する。
ピックアップレイアウトについては、いろんなプランがあったわけだが、ジャパンビンテージビザールギターの魅力といえば、雑材(ベニヤ、ラワンなど)のネック、ボディがもたらすチープな振動、これを当時はむしろ安いからという理由で採用されていたアルニコ磁石のピックアップの経年変化などから来る、えもいわれぬファット感に代表されるところであろう。
残念なことにこのギターはフロントPUが欠損している。2PU仕様として、ストラト等のPUをつけることも頭に浮かんだが、ここはオリジナルを使わないわけにはいかない。外装こそボロボロだが、マグネット、コイルとも現役である。軽いオーバーホールをして1PU、1ボリューム、1トーンとする。
また、特徴的な鉄板ピックガードだが、このまま採用することとした。PUホールが開いているため、PPシートにヘアラインシルバー柄のカッティングシートを貼り付け、オリジナルピックガードを型に、同サイズの「ピックガードカバー」を上からかぶせることにした。
なにしろ1PU、1ボリューム、1トーンである。ツマミだらけ、スイッチだらけの定義からは外れているかもしれないが(笑)、コレは絶対ありと判断したので、シンプルなサーキットとする。
ボリュームポットはアルプス社製、トーンのためのコンデンサは可変幅を稼ぐため積層セラミックコンデンサ473を採用する。このおかげで「かなり高い音からかなり低い音まで」設定できるようになっている。
最大にファットな音にして(本来フロントピックアップがついていたあたり)で弾けば、なんちゃってフロントPUくらいの音は出る(笑)
ジャックはスイッチクラフト等も考慮したが、最近お気に入りの黒いプラスチック樹脂でできているモノを採用。
さあ、出来上がり間近である。
何しろ40歳のギターだ。こだわりも歴史もあろう。傷や打痕、へこみもある。しかし、ボディはバフ掛けする程度にとどめ、オリジナルのメタリックブルーだ。スクリュー等は全て新しいものに交換したが、ペグのプラスチックブッシュやテンションバーなどはオリジナルを丁寧にペーパーで磨き、そのまま採用することにした。ジーパンで言うと「タテ落ち感覚」だ(笑)。この風合いはさすがに40年経たないと出ないだろう。
ペグはカバードタイプの新品のゴトーをおごることにした。ペグ、ブリッジとも新品だ。チューニングも安定する。塗装の際に外したナットだが、充分使えるようなので、ペーパーで表面を研磨し、そのまま使うことにした。


さて完成したギターは「オリジナル重視派のコレクター」は眉をひそめる出来だろうが、「ジャパンビンテージビザールギターを現役でバリバリ使いたい」現役のミュージシャンであれば,ちょっと気になる出来上がりなのではないかと自負している。
特徴を紹介しよう。案外、というよりかなり極太なかまぼこネックである。それに対し、ボディは薄い。薄いですね、笑っちゃうくらいに(笑)なんならギブソンSGが厚いギターに思えるくらいだもん(笑)で、結果軽い。動き回るギタリストにはたまらんだろうなあ。音はビックリするほど太い。太いねえビックリするくらい。ソープバーのついているレスポールみたいな感じ、といったら言い過ぎだろうか・・・・・。
マシンヘッドにはオリジナルのグヤトーンオーナメントを貼り付ける。隣に申し訳なさそうにひっそりと(笑)E9ロゴを入れる。
コレくらいしたっていいだろ?(笑)
追記するが、エンドピンにまでこだわった。
オリジナルはおそろしく小さくてダンロップのストラップカバーでもつけないとストンと落ちてしまいそうなので、フェンダータイプを採用した。スクリューもかなり長いものできっちりつけてある。かなり暴れるギタリストでも大丈夫だ。
ボリューム&トーンノブはアルミ削りだしの高級品をおごってみた。かなりメタリックなイメージである。


俺はジャパンビンテージ、いわゆるビザールギターが大好きだ。何本か個人所有もしている。ハウンドドッグテイラー、ジョンスペンサー、デビッドリンドレー…連中がなぜギブソン、フェンダーよりこちらを優先するのか、その理由もなんとなくわかっているつもりもある。ありがたいことに、このジャンルは馬鹿みたいなプレミアがつくことも一部の特別なモデルを除けばあまりない。これを現役のミュージシャンに「弾ける状態で」提供できたら最高だと思うのだ。
もっともベースになるモデルもかなり主観で選んでいるところもある。なんなら納得いかない取引であれば相手にせずずっと俺の手元にあればいいと思ってるくらいだ。でもね、ギターですから、俺よりもがんがん弾いてくれる人に渡ったほうがこの子にとって幸せだと思うんですよね・・・・・・・・・。ほな!


2PU仕様になり、里子に出ました。大活躍を期待しております!!